脱走したグレ多

年が明けてすぐ、1日の午前3時ごろ、尿意で目が覚め、寒い中トイレに降りて行ったらグレ多も起きてついてきて、用を足して2階に戻ったら、いつものようにまたついてきて部屋に戻ったのだが、そのあと猫ドアを通る音がして、そのまま私は寝てしまい、朝6時ごろに再び目が覚めたら、グレ多がどこにもいなかった。こたつの中、ベッドの下などを探したり、いつもご飯の入った引き出しを開けると1階にいてもすぐ駆けつけるのだが、来ない。キッチンを見まわしたら、窓が少し開いていて、ああ脱走したのかと気づく。前日にキッチンでしたウンコが臭かったので、1センチほど窓を開けておいたのだが、バカな私が閉め忘れ、それを自分で開けて出ていったのだろう。ちゃんと帰ってくるだろうかと心配しながらキッチンのドアを開けておいたら、5分後には何事もなかったかのように戻ってきた。このクソ寒いのに、3時間もどこで何をしていたのだろうか。凍死しなくてよかった。でも猫は意外に寒さに強い。部屋の温度が4度でも、布団に入らずに布団の上で寝ている。

それ以降、グレ多は外に出たがることが増えた。換気しようと窓を開けて網戸にしておくと、網戸のサッシを手で開けようとしたり、布団を干そうと窓を開けると、その隙に外に飛び出ようとしたり(飛び出る前に捕獲)、キッチンのドアを開けた瞬間に外に出たり、元日の逃亡3時間に外でいいことでもあったんだろうか。これまではドアを開けても外のことは気にするが、出る勇気はなさそうだったのに。

日本では猫の外飼い、半外飼いというのは今はほとんど推奨されていないようで、猫は室内飼いに限る、みたいなウェブ記事をよく見かける。うちは田舎なので半外飼いでも近所に迷惑をかけたりはそんなにないと思うが(現に近所の飼い猫が野良猫と一緒にうちの敷地内にいたりもする)、外飼いは事故に遭う、トラブルに巻き込まれるから「猫が可哀想」と、倫理的に許されないようだ。でもその「可哀想」というのは人間のエゴであって、猫自身がどう思っているかはわからない。猫のことばかり検索しているので、「猫の寿命は30年時代」という謳い文句とともに高価なエサを売っている業者の広告も流れてくるが、果たして長寿がそのまま猫の幸福なのだろうか。

猫自身に長生きしたいという思いはあるのだろうか。外も中も自由に出入りして、好きな場所で好きなことをするのが、猫にとっては一番いいのではないか、とも思う。寿命を延ばしたいのは、愛猫を失いたくない飼い主の勝手な思いだろう。それは去勢にも言えることだが、グレ多はこの家に入れるときに去勢してしまった。すまん。

(2026/1/16)